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未承認新規医薬品等管理部

スタッフ紹介

部門長 松本 高広 部門長 松本 高広
氏名 職名 所属・役職
松本 高広 部門長 薬剤部副部長、
医薬品安全管理責任者

概要

2014年に禁忌投与に該当する静脈麻酔薬の死亡事故が社会問題となり、特定機能病院においての安全管理体制やガバナンスの強化が図られる契機となりました。当部門が2017年4月に発足したのはその流れの一環であるとも解釈できます。 

わが国では、医薬品や医療機器は医薬品医療機器等法の下で有効性と安全性が保障されています。これらを定められた用法・用量で使うことで、適応内使用として医療保険制度の適応が受けられます。同時に有害事象発生時の際の医薬品副作用被害救済制度の対象ともなりえます。

その一方で、医療は個別性と不確実性が大きいものでもあり、適正な医療を行う際には、適応外の医療行為を行わざるを得ない状況も生じえます。その際にはその必要性の理由と根拠を明確にする必要がありますし、診療録等への記録もきちんと行わなければなりません。

根拠と必要性を検討し、記録を充実させることは、情報の共有が図られるため、日々の診療の安全と効率の向上にもつながると言えます。

目的

各診療科から申請のあった国内未承認の医薬品医療機器に関し、必要性と有効性と安全性について部内及び評価委員会で検討し、認証を行います。
また、承認済みの医薬品医療機器の適応外使用に関しても情報収集及び検討、認証を行っています。
これらの活動は、各診療科の意識向上と振り返りを促し、病院管理部門との情報共有をもたらすことになります。最終的に、医療の適正化と安全の向上にもなると考えております。

申請・把握・認証の流れ

図に示す通り、各部門から医薬品や医療機器の適応外使用に関する申請を受け付ける一方で、使用実態を随時把握しています。各種報告体制の整備と順守は適正運用に不可欠なものとなります。

これらに関しては月一回程度、定期的に部内会または評価委員会を開催し、その内容を総合的に評価した上で表に示すようにリスク評価や報告形態を定めます。最終的には病院長がこれら決定に関して認証を行います。

医薬品適応外使用に関する申請の流れ

リスク評価 報告形態 報告時期
適応外 薬剤自体は日常的に使用されているが適応外に使用されるもの。
医薬品副作用被害救済制度の対象外となりえることに注意する必要がある。
病院側が把握し、使用者及び使用条件が順守される限り、使用の有無と有害事象等発生時の報告で支障ないと考えられる。
使用実績や有害事象の有無についての簡易報告 有害事象発生時
使用実態変更時
高リスク 危険性が高い(目安としては「警告」の記載が添付文書にあるもの)、未承認のもの、リスクが判定できないため、使用者や使用場所に安全上の制限を課す必要のあるもの。
患者への説明と承諾に厳格さが求められ、文書も必要と考えられる。
症例毎の使用と経時的な報告も必要になる。
患者ごとに薬剤の使用報告
複数回の場合終了報告も
使用時
投与終了時
(評価委員会にて報告時期決定)
禁忌投与 禁忌投与に該当するため、事故が生じた場合、責任が重大となる。
従って極力使用を避ける必要がある。
患者への説明と承諾に厳格さが求められ、説明内容と承諾に関する文書は必須である。
症例毎の使用と経時的な報告も特に重要となる。
患者ごとに薬剤の使用報告
複数回の場合終了報告も
使用時
投与終了時
(評価委員会にて報告時期決定)