身につけるアクセサリーだけでなく、調理器具、医療や歯科治療など生命の維持にも不可欠な金属。金属を避けるばかりでなく、アレルギーに負けない対策を考えましょう！
東邦大学医療センター大森病院
スキンヘルスセンター
関東裕美

人間の皮膚は、金属に触れただけでアレルギー反応を起こすことはまずありません。しかし、汗や唾液などによって金属から溶出した「金属イオン」が皮膚のたんぱく質と結合すると、それを体が「異物」とみなし、拒絶反応を起こすことがあります。これが金属アレルギーの正体です。とくに汗をかきやすい今の季節は皮膚表面で金属がイオン化しやすくなるため、金属アレルギーを発症する人も多くなります。

金属アレルギーには、こうした汗による「接触皮膚炎（かぶれ）」のほかに、歯科金属や種々の金属元素を含む食物の影響などで生体内の金属イオンバランスが崩れて起こる「全身型金属アレルギー」もあります。こちらは金属製品が直接触れていなくても皮膚炎が起こるため、内因性アトピー性皮膚炎とも理解されるようになってきています。

いずれの金属アレルギーも、アレルギー反応を鎮め、悪化を防ぐことは可能です。暑い夏に金属アレルギーに負けない対策についてお伝えします。