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新年のご挨拶

大森病院 病院長 酒井 謙
大森病院 病院長 酒井 謙
 新年おめでとうございます。2026年初頭の挨拶をさせていただきます。1925年創立の東邦大学は昨年創立100年周年を迎え、新たな101年目の出発です。沼地の多かった蒲田の地においては、JR蒲田~京急蒲田の連絡鉄道計画が本格始動しています。大田区は都区部人口第3位、面積第1位につけており、横浜、品川、羽田空港に近く、都内主要立地です。これからも地域医療の最後の砦として機能してまいります。
 病院とは日々、喜びと悲しみ、ひらめきと怒り、共感と再生を繰り返しながら、人間学を学ぶ場所でもあります。毎朝のカルテチェックで、教職員の日夜の努力を知る毎日です。各疾患の専門分野が連立すると「ここは私の領域」「ゆえにそこは私の領域でない」というように、バレーボールコートのセンターに相手方のサーブ球が落ちることがあります。今一度、高齢=多臓器病変の立場から、内科外科連携、診療科連携、地域連携が深まりますように努力したいと思います。自分が拾わねばだれが行う、この病院がとらなければ誰がやる、その文化が大切です。具体的には、総合診療的視野とERチームの醸成です。資源のない日本において、働き方改革が、働かない改革にならないよう、注意する必要があります。
 近年は、経済的に存立できない医療機関が増え、人材はより安易で、楽な方向へと流れ去り、赤字経営の医療機関が増加しています。医療産業の企業目的は経営ではありませんが、経営不振ではまず、医療安全から脅かされます。財政健全化はとても大事な事業で、昨今の我が国の医療事情の最たる危機であります。2040年の医療需要と供給の逆転現象が間近に迫っており、生き残る病院、生き残る医療者を育てないと、患者さんを救えない危機も認識せねばなりません。
 そのような中、大森病院の地区再開発が一昨年から始まりました。若草寮が解体され、結果的に広がる平地に地下1階地上7階の新外来棟が建設されます。竣工は令和9年の予定で、地下駐車場の他、1階には小児・整形外科の外来が入ります。2階部分は、医事課、総合相談、受付業務、入院業務機能(My Station)が入り、3~5階はデイサージェリーを行うアイセンターや、化学療法室も予定されています。二人に一人ががんの罹患という高齢化社会にて、手術、化学療法、放射線治療の3本柱が重要です。新外来棟は緑濃い、憩いのスペースを基調に、6階7階では学会も主催できる講堂と、小会議室の数々が誕生します。診療文化の刷新において、新しい建物は新しいmotivationを生みます。医療ほど、助けを求められる職業は他になく、その初心に帰ることが今必要です。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます.