東邦発 E-health
知ってるようで知らない?検査のおはなし
美味しくごはん食べられていますか
味がしない、美味しく感じないと聞くと、新型コロナウイルス感染症を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。美味しいごはんを味わうのに重要な働きをしている味覚には、微量元素である亜鉛が関わっています。
亜鉛は成人(体重70kg)の体に1.5~3g存在し、筋肉(60%)、骨(20~30%)、皮膚・毛髪(8%)の順に分布しているといわれています。食物から摂取された亜鉛はおもに十二指腸と空腸で、銅と拮抗的に吸収されます。生命維持に不可欠な微量元素の1つである亜鉛は、細胞分裂や核代謝をつかさどり、様々な生体機能に関与しています。欠乏すると皮膚炎や下痢、貧血、発育遅延・異常、味覚異常などを起こすといわれています。これらの症状の中で味覚異常は最も早く現れるといわれ、亜鉛は味を感じる味蕾細胞のターンオーバーに関わっています。
臨床の現場では血液中の亜鉛濃度で評価をしています。亜鉛は血液中でアルブミンと結合しているため、前処理でこれらを遊離させ、比色法で亜鉛値を求めています(基準値80.0 ~ 130.0 μ g/dL)。
2015年国民健康栄養調査での亜鉛平均摂取量では、約30%の人が亜鉛推奨量を下回っているといわれています。亜鉛を多く含む食品は、牡蠣(5粒)が7.9mgと多く、豆腐(半丁)は0.9mg、アーモンド(10粒)は0.7mg、プロセスチーズ(1切れ)は0.6mgとなっています。食事の際、微量元素について着目することは少ないと思いますが、少し意識して摂取できると代謝機能が改善されるかもしれませんね。
長岡すみか
