東邦発 E-health

メニュー

東邦発 E-health
知ってるようで知らない?検査のおはなし

RSウイルス感染症とは?

昨今、鼻水、咳や発熱といった症状があると、もしかして新型コロナウイルス感染症?なんてドキッとしてしまうかもしれません。ですが、そのような症状は新型コロナウイルス感染症だけではありません。新型コロナウイルスの話題であまりニュースになっていませんが、風邪の一種であるRSウイルス感染症が現在急増しています。

RSウイルスは感染力が強く、年齢を問わず乳幼児から高齢者までが感染する可能性がありますが、3歳までにほぼ全ての小児で感染すると言われています。感染後の免疫が出来にくく、ワクチンがないため、成人になっても再感染することがありますが風邪様の症状で済むことが多いようです。むしろRSウイルスが問題となるのは乳幼児や小児に感染した場合で、肺炎や細気管支炎を発症し、重症化するケースがあります。特に、乳幼児に感染した場合には乳幼児突然死症候群の原因になることがあり注意が必要です。乳幼児や小児で発熱や咳など風邪様の症状のほかに苦しそうな咳や喘鳴の症状があったら、早めに病院を受診しましょう。診断には鼻腔拭い液を使用して数分で結果が分かる迅速抗原検査で診断するのが一般的です。

通常、冬場に流行がみられるRSウイルスですが、現在、国内で流行しています。主な感染経路は、RSウイルスに罹患している患者さんのくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことで感染する「飛沫感染」とウイルスが付着した手で鼻や口などに触れることで感染する「接触感染」になります。

新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、手指消毒、マスク着用の意識が薄れてきてしまっているかもしれませんが、今一度、感染予防対策を見直すことが大切です。

中村美彩樹