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知ってるようで知らない?検査のおはなし

いろいろな採血管

病院での採血の時間に、採血管(血液を採取する容器)に注目したことはありますか。実は検査の種類によって、抗凝固剤(血液の凝固を防ぐための薬剤)が異なるため、採血管を使い分けているのです。

例えば血算、主に赤血球・白血球・血小板の数やヘモグロビン濃度を測定する検査ですが、EDTA-2Kという抗凝固剤を使用しています。EDTA-2Kは大変強力な抗凝固剤です。血球成分が固まると採血管の中に偏りができ、正確な値を報告することができなくなるため、強力な抗凝固剤を使います。

続いて生化学検査、主にNa・K・Clなどの電解質やコレステロールなどの脂質を測定する検査ですが、ヘパリンリチウムという抗凝固剤を使用しています。この採血管を遠心し、血球(赤血球・白血球・血小板)と血漿(血球以外の成分)に分けた後、上層にある血漿部分を使って検査を行います。前述のEDTA-2Kでは生化学検査の試薬の働きを邪魔してしまうため、ヘパリンリチウムが使われます。

ここでは2つしか紹介できませんでしたが、当院検査室で扱う採血管は他にも様々な種類があります。今後採血の機会があったときには、少し注目して見てみてください。

加藤美咲