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知ってるようで知らない?検査のおはなし

血液からがんのリスクがわかる?

我が国の国民病の1つと言われているがんは、1981年から日本人の死因第1位です。

現在がんは、医療の発展に伴い早期発見・早期治療により「不治の病」ではなくなっています。しかしながら日本のがん検診受診率は先進国の中でも圧倒的に低い水準を示しています。

AICS(アミノインデックスがんリスクスクリーニング)というがんのスクリーニング検査をご存知でしょうか。

血液中のアミノ酸の濃度バランスの変動を統計学的に解析・指標化し、がん罹患リスクの予測を行うものです。アミノ酸濃度のバランスの変化を調べることにより、現在のがんのリスクをランク別に評価します。検査に必要な採血量は5mLと少なく、採血以外での侵襲性や、長時間の拘束はありません。妊娠されている方をのぞく健常者を対象とし、がん種別に対象年齢が定められています。結果はランクA、B、Cの3段階で評価され、ランクAよりランクCの方ががんであるリスクは高いと評価されます。AICSはリスク評価ですので、臨床的な判断には他の検査との併用が必要となります。実際にAICSでランクCという結果を受け、精密検査の結果早期に癌が見つかり、早期治療を行えた例も報告されています。

当院では、AICS とPET-CTや腫瘍マーカーの検査を組み合わせた「PET-CTドック」を行っています。このように、いくつかの検査を組み合わせることでより精度の高い結果を得られます。

がんは、なによりも早期発見、そして早期の治療開始が重要です。
まずは検診を受けてみることが、自分の命を守る大きな一歩となります。

黒澤夏美